セルフdeビルドのすすめ

私が建築を業とするようになったきっかけは、今住んでいる家を自分で建てる経験をしたからです。私的な事情も相まって、家を造るということは、他でもない自分づくりなのだということを、つくづくと実感しました。そして創造するという多くの喜びと、手伝いに来てくれた友との絆の高まりもあり、「生きる」と言うことへの確信にも近い自信に繋がりました。
やがて「こんなに楽しいことを放っておくことは無い。」と、少しずつ仕事の重心をずらしながら、会社の内容を変えていきました。その後も気の合う仲間と出会い続けて、今日に至っています。その過程で人生でも仕事でも、何をやるかではなく、「誰とやるか」ということの方が大切である事も覚えました。
セルフビルドでは、作業に関わる割合に関係なく、その人が持っている本来のパワーを引き出し、生きる力を目覚めさせてくれます。消費社会の中にあっては、自らが何かを生み出すという機会が非常に少なくなっている中、私たちの眠っている能力を最大限に引き出してくれるチャンスでもあります。初めから大きな家ではなくても、小さな小屋でも良いから関わってみることをお勧めします。その過程で「野生」が目覚めてくるかもしれません。
ただし副反応として、会社を辞めてしまうということが、たまに起きる事をお伝えしておきましょう。